様々な企業法務の業務~当事務所のお取扱い範囲③

業務内容のご紹介

企業法務のお仕事は本当に多岐にわたります

前々回、「企業法務といっても、イメージしている業務は会社によって全く違う」と申し上げました。言い換えれば、会社によって法務部門に期待する役割が異なるとも言えるでしょう。

今回も引き続き、当事務所がどのようなサービスを提供できるのかということに直結する私の体験とスキルをご紹介します。

前回までと同様、経営法友会が発表している「会社法務部 [第12次] 実態調査の分析報告(以下、第12次報告といいます)」を引用させていただきます。

第12次報告とA判定業務(「法務部門が主管する企業が多い業務」―11事務)については、次の投稿を、
「様々な企業法務の業務~当事務所のお取扱い範囲①」

また、B判定業務(「多くの法務部門がA判定ほどではないが主管・関与することが多いと回答した業務」―7事務)については、次の投稿をご覧ください。
「様々な企業法務の業務~当事務所のお取扱い範囲②」

多くの企業で法務部門が主管している業務

今回は、C判定業務の経験の有無等をについてコメントいたします。

「他に主管する部門があるが、法務部門が関与している事務がC判定であり、今回調査(2020年度)では18事務であった(図表V-4)。」と記載されています。

C判定業務については、「A判定およびB判定には該当しないが、関与率が50%以上の事務」という解説もあります。

PDF【表V-4 C判定業務】 

「C判定業務」の経験

「C判定になった事務を含むカテゴリーとしては、国内外の契約、債権管理等、M&A・企業再編等、グループ会社、広報・開示、労働問題、その他に関するものがみられる。」とされています。

A判定業務のカテゴリー数は4、B判定業務のカテゴリー数が5であるのに対して、C判定業務は9カテゴリーありますから、明らかに範囲の広がりを感じます。

AおよびB判定業務では該当しなかったカテゴリーとしては、「債権管理」「M&A・企業再編等」「広報・開示」「労働問題」「その他」があります。このような広がりは、私の経験の幅をご説明するためには好都合です。以下、詳述します。

C判定業務のうち、私が20年にわたる企業法務経験の中で管理職として、また実際に手を動かす担当者として特に多くの経験を有する業務は次の通りです。

「1契約関係(国内) 」の次の2業務

  • 「順位1 / 1 契約のスキーム検討」
  • 「順位12 / 2 契約交渉への参加」

次についても比較的多く携わりました。

「5 債権管理・担保管理関係(国内・海外・クロスボーダー取引)」の次の業務

  • 「順位9 / 28 債権保全・回収 」~なお、国内に限られます

「20 労働問題関係」の次の業務

  • 「順位 10 / 112 ハラスメント(セクハラ・パワハラ等)」

そのほか、次の業務も何度か担当しました。

「11 M&A・企業再編・各種提携関係」の次の業務

  • 「順位15 / 59 デューデリジェンス関係(弁護士選定を含む)」

「13 グループ会社関係(国内・海外)」の次の業務

  • 「順位17 / 72 グループ会社の内部統制(リスク管理・コンプライアンス・研修)」

「19 広報・開示関係」については、広報または営業上、社外に開示する情報の審査に携わった時期もありますし、上場会社の適時開示事務の窓口責任者を務めていたこともあります。

また、「21 その他」に関しては、事後的に対応を要する事態が生じたことはありませんが、その予防的な側面でレピュテーションリスク、危機管理について委員会・チーム等の一員として何度も関与してきました。

思い出すことをいくつか

今回、初めて「M&A」が登場しました。一口にM&Aと言っても、大手法律事務所に依頼して多くの弁護士により構成されるチームのサポートを受ける事例もあれば、“前回のように。価格はこれくらいで”の一言で顧問事務所の1~2名の弁護士の部分的な助力を受けるにとどまる場合もあります。

また、自分の体験ではありませんが、とある会社が他社を買収するときに、”書籍を参考に社員だけで対応している。必要な許認可の取得にモレがあり、事後の対応で苦労したこともあった“という話を聞いて驚いたこともあります。この会社は今では、少し大きな駅前ならよく見かけるような店舗を展開している会社に吸収されています。

ハラスメントの対応にあたっては人事部門が主管となるので、法務部門は主に法的な面で支援することになります。実績のある弁護士と日頃からよく連携しておき、ここぞという場合には速やかにアドバイスやサポートを得ることがカギとなります。

次回の予告

次回は、「X判定」とされた14事務について取り上げる予定です。これらは、法務部門が「非関与」または「事務がない」と回答した企業が多かったものですが、興味深い項目もあったので紹介したいと考えております。

【引用】

米田憲市編、経営法友会法務部門実態調査検討委員会著 『会社法務部 [第12次] 実態調査の分析報告』 p.322~326(株式会社商事法務、2022年3月1日 初版第1刷 発行)

(代表 長谷川真哉)

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