様々な企業法務の業務~当事務所のお取扱い範囲①

業務内容のご紹介

企業法務の仕事はどの会社でも同じ?

私の20年にわたる企業法務経験で痛感したことの一つが、「企業法務といっても、イメージしている業務は会社によって全く違う」ということです。

『企業法務運営アドバイザー』として皆さまにサポートをご提供するにあたって、まず私の体験とスキルをご説明させてください。

企業法務運営アドバイザー ~ 当事務所が提供できること

私には20年にわたる企業法務経験があり、そのうち11年余りは部門長・組織長として業務に取り組みました。管理職となれば部門を運営する訳ですから、必ずしも自分で具体的な実務を担うとは限らず、それぞれの仕事に精通した部門内のメンバーに実務を任せることもあります。その場合、自分はそのメンバーが力を発揮し、最適な成果を導くことができるようサポートに回り、その結果についてリーダーとして責任を負うことになります。

当事務所でどのような業務をサポートできるかをご紹介するにあたっては、このあたりの濃淡もできる限りお伝えすることによって、ご期待とのずれが生じないよう努めます。

経営法友会の調査結果

これまでの転職経験を通じて、自分なりの企業法務が担う業務範囲の分類はありますが、様々な業種の皆さまが理解しやすいよう、定評のある調査結果を土台に、数回にわけてご紹介することにします。

ここでは経営法友会が発表している「会社法務部 [第12次] 実態調査の分析報告」を引用して参考とさせていただきます。この調査は1965年から5年に一度実施されている大変貴重な取り組みで、今回の報告(以下、第12次報告といいます)が2023年1月現在の最新版です。

この第12次報告の対象項目は非常に多岐にわたりますが、その中で、「回答全数(1,151社)を対象として、法務部門の主管・関与割合が高い事務と低い事務の全体傾向を把握するため、4種類の判定区分で分類した」とする報告項目があります。

この項目では21カテゴリー、130項目について、「法務部門主管」「法務部門関与」「法務部門非関与」「事務がない」からいずれかを選択する方式で回答を求めています。

今回は、このうち法務部門が最も多く主管している業務について取り上げます。第12次報告では「A判定」とされ、法務部門による「主管率が50%以上の事務」とされています。

最も多く主管している業務はどんなものか

「法務部門が主管する企業が多い業務であるA判定に該当するものは11事務あり、これらが、法務部門が主管するコアな事務であるといえる(図表V-2)。なお、表中の「割合」は主管率を示している。」と紹介されています。これらの業務は次のとおりです。

PDF【図表V-2 A判定の回答結果】

「A判定」業務についての経験

私の体験としては、「A判定」の11事務については体験業種の影響による関与経験の多寡はあるものの、“すべて体験あり”と言えます。

これらの事務についていえば、管理職としてだけでなく、実務者としての体験があります。

特に体験数の多いものは、「順位2 /14法律相談関係(国内) /73 民・商法関係」、「順位3 /14 法律相談関係(国内) /4 契約書の審査」、「順位7 /14 法律相談関係(国内) /81 法務情報の社内PR・社内法務教育」で日常的に大量の実務に取り組んでいました。

また、発生頻度自体は低いものの、いざ発生すれば必ずサポートしていたものとしては、「3 訴訟等管理関係(国内)」があります。「順位1 /15 弁護士管理」、「順位6 /18 訴訟等手続管理」、「順位 10 /17 主張書面・訴訟戦術検討」が該当します。

「順位11 /2 契約関係(海外・クロスボーダー)/11 契約書の審査」も数年にわたり実務として取り組みましたし、「14 法律相談関係(国内)」のうち、「順位4 /75 独禁法(下請法・景表法を含む)」についても社内の審査責任を担っていた時期があります。

一方、比較的関わる機会が少なかったものとしては、「14 法律相談関係(国内)」のうち、「順位5 /76 不正競争防止法関係(営業秘密を除く)」があります。この業務については、数社で社内に向けて何度か研修を実施した経験がある程度です。

その他については、必要に応じて対応していたという程度の経験値です。

次回の予告

次回は、「B判定」とされた7事務について取り上げる予定です。

【引用】
米田憲市編、経営法友会法務部門実態調査検討委員会著 『会社法務部 [第12次] 実態調査の分析報告』 p.322~323(株式会社商事法務、2022年3月1日 初版第1刷 発行)

(代表 長谷川真哉)

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